掛川茶とは(深蒸し掛川茶について)
静岡県掛川市は、お茶の生育に適した豊かな自然環境に恵まれ、静岡県内はもとより、全国でも屈指の銘茶産地として知られています。荒茶生産量においても全国トップクラスで、掛川市全域に茶畑が広がっています。掛川市の特産となっている深むし煎茶は、普通煎茶よりも蒸し時間を2倍~3倍長くする製法により、水色が濃厚で自然の甘みが感じられる深い味わいになります。その掛川の深蒸し茶は、日本の三大茶品評会において、数々の賞を受賞し、近年では特に優秀な成績を収めています。 それでは、まず茶とは何かをご説明していきます。
掛川茶とは
茶とは
茶の学名は、ドイツのクンツが命名した『カメリア・シネンシスCamellia sinensis(L.)O.kuntze(1887)』としており、ツバキ科:ツバキ属:チャ節というグループに属しています。茶の樹は、中国種とアッサム種に大きく分けられ、中国種は主に緑茶用、アッサム種は主に紅茶用の原料として用いられています。
茶の製法
茶は、生葉がもつ酸化酵素の活性を最初に止めた『緑茶』、途中で止めた『烏龍茶』、十分活性させた『紅茶』などが日本で飲まれ、その他にも後発酵させた『プアール茶』などがあります。緑茶の種類には、生葉を蒸気で蒸す蒸し製ものと、釜で炒る釜炒り製ものに大きく分けられます。日本国内で生産されるお茶のほとんどが蒸し製の緑茶になります。
蒸し製緑茶の種類
蒸し製の緑茶の種類は、煎茶、玉露、かぶせ茶、玉緑茶、碾茶、碾茶を粉末にした抹茶、番茶、煎茶や番茶を焙じた焙じ茶、炒った米を混ぜた玄米茶などがあります。
煎茶の種類
煎茶は、蒸気で蒸す時の程度により普通蒸し煎茶(10秒~1分位)、深蒸し煎茶(2分~3分位)に分類されます。
深蒸し茶とは
普通蒸し煎茶よりも2倍から3倍の時間をかけて生葉を蒸しています。お茶の葉の中まで十分蒸される為、形は粉っぽくなりますが青臭みや渋みがなくなり、まろやかな口当たりとなります。また、抽出液には細かなお茶の葉も含まれるため、水にとけない有効成分も摂取できる特徴を持っています。
茶の栽培地域
日本における茶の栽培は、北は秋田県、南は沖縄県までと、とても広範囲で栽培されておりますが、経済的にみた栽培の北限は新潟県と茨城県を結んだ付近とされています。生産量別でみると、1位静岡県・約4万トン(40%)、2位鹿児島県・約2.5万トン(26%)、3位三重県・7.5千トン(7%)と、なっています。※平成20年度農林水産統計
静岡茶とは
幕末に、新時代の貿易品としてお茶が注目されていました。駿府に移住した旧家臣たちが、土地の開墾をし、地元の農民がそれを引き継ぎ、やがて日本一の大茶園へと発展しました。静岡県で造られる煎茶も、土質、高度、栽培方法、製造方法、品種などにより地域によって味、香り、水色など違いは様々です。主な産地は、富士、清水、本山、川根、牧之原、掛川、天竜などがあります。
お茶の品種
お茶にも、お米のコシヒカリ、ササニシキの様に、数多くの品種が存在します。現在の日本には、40種類以上の品種が植えられており、その中でヤブキタ品種は全国の70%以上を占めています。
ヤブキタとは
在来種の実生中から『杉山彦三郎』が選抜した煎茶用品種です。静岡県茶業試験場にあるやぶの北側で選抜した茶樹から『やぶきた』と命名。登録番号は茶農林6号、1955年に静岡県の推薦品種となりました。品質は、極めて良好で、独特の強い香気をもち、滋味優雅で甘味に富んでいます。
掛川茶とは
これからを担っていく優秀な若手生産家が多く、深蒸しに耐えられる密度の濃い葉が特徴の茶産地です。毎年、お茶の日本一を決める全国茶品評会が開催されています。その中で、もっとも品質が優秀な産地に贈られる産地賞・深蒸しせん茶の部で、連続して受賞をしています。近年は特に成績が優秀で、これから日本茶を担っていく深蒸し茶の銘産地です。
受賞歴 農林水産大臣賞/通産大臣賞/静岡県知事賞 他
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